貸主側からの賃貸借契約終了は難しい

大家さんからの契約更新の拒絶って簡単に出来るものなのでしょうか。
大家さんからの契約終了って簡単に出来る?

弊社と長い付き合いのある大家さんから、次回の契約の更新はせず、賃貸借契約を終了したいので、テナントさんを納得させてくださいと今現在依頼を受けております。
貸主からの契約更新の拒絶にあたりますが、そんな簡単に出来るものなのでしょうか。

貸主からの契約更新拒絶、認められるでしょうか

今現在、弊社で抱えている大きな問題の一つに、次の契約の更新をせず、契約の終了を望んでいる弊社の大家さんがいらっしゃいます。
5月くらいから言われているので、かれこれ半年近く経ちます。
こちらの物件のテナントさんはこちらの貸家をとても気に入って住んでいらっしゃるので、この先も長く住み続けたいとのことで、契約の更新を強く望んでいらっしゃいます。
一方、大家さんの方は更新は出来ないの一点ばり。
こちらの問題、双方の合意点を見つけ出すことは出来るのでしょうか。

借地借家法28条の「正当事由」が難しい

貸主サイドから契約の終了を伝えるのは、契約終了の1年から6ヶ月前と借地借家法26条で定められています。
こちらの貸主さんは10ヶ月ほど前に借主に書面を出したので、その点での問題はクリアしています。
ただ、貸主の方から契約を終了させたい場合には、「正当な事由」が必要ということになっております(借地借家法第28条)
この正当な事由の解釈が難しいですよね。

「正当事由」にあたるとされる5項目

私もこのあたりを今回しっかり調べてみました。
この借地借家法28条の正当事由には以下のようなものがあげられるようです。

1.賃貸人が建物を必要とする事情
更新を拒絶する賃貸人がその建物を自ら使う必要性がどの程度あるのか、または、賃借人がほかに使用できる建物があるかどうか。

2.賃貸借に関する事前の経緯
賃貸借にすることにした経緯や、権利金などの支払いの有無、その金額、契約上の義務の履行など。

3.建物の利用状況
賃借人がその建物をどのような状況で利用しているか。

4.建物の現況
建物の老朽化により大規模な修繕あるいは建て替えが必要になっていることや、建物敷地を利用する権利の喪失によって建物の利用が困難になるなど。

5.賃貸人による財産上の給付の申し出(補完的事由)
いわゆる立退料の提供。

ただし、立退料の提供だけで正当事由を満たしていると判断されるわけではなく、他の事情が備わり、立退料の提供もあるときに、正当事由の1つとして判断される。

最終的にはキーになるには金銭の給付?

つまり、賃貸人がどうしてもそこに住まなくてはならない格段の理由があることや、建物が著しく老朽化して居住するには危険であることなどを証明しなければ裁判所は正当事由があるとは判断しません。
実務的には、賃貸人が自分で住むためであっても正当事由があると裁判所が判断するケースは少なく、正当事由を補完する意味での金銭の給付、いわゆる立退料の支払いを求められることが多くなっています。

今回のケースを検討してみると

以上のことから今回のケースを考えてみると、今回、弊社と長い付き合いのある大家さんの主張が通るのは極めて難しい感じがします。

1 ご自身の居住する家があるので該当なし
2 テナントさんは賃料もしっかり払っているので、こちらにも該当せず
3 大変綺麗にお住まいいただいているので該当なし
4 まだ建替えが必要という段階まで行ってはいないので、該当なし
 
やっぱり5の金銭の給付しかないのですかね。

こちらの大家さん、弊社ととっても長いお付き合いのある大家さんなので、私も頑張ってあげたいのですが、「正当な事由」と認めらえるためには極めて難しい事例かもしれないです。

 まだまだこの問題、解決しそうにはないですが、関係者の皆様がより納得できる妥協点を見つけれるよう、私もお手伝いできればと思っております。

関連記事一覧